.tc .vg .gd 問題

登録/更新料金の猛烈な値上げがレジストリによって行われるという笑撃の事態に出会ったのが1年ほど前、影響は比較的小さかったとはいえ先がやばそうなので3文字 .tc を1つその時に手放しました。

しばらくしてdd24.net(Key-Systems.com)のRSSでなんだかなアナウンスが出ていると思ってましたが、なんとこの事態は今まで続いていたということを最近のアナウンスで知りました。ググってみたところ、ちょっと見ない間にもうわけわからんことになっているようです。まがりなりにもTLDなのに恐るべし…

ググって出てくるページがまとまってました。whoisも両レジストリ(?)のデータベースで内容が違ったりしているようです。

グルーレコードは大丈夫なのかとかも含めて違いを探すだけで小一時間は遊べそうですが、はちゃめちゃすぎて時間の無駄っぽいですね…そして先ほどのフォーラムに出ていたIANAのページの抜粋です。

レジストリ(誰?)の指示だとして該当ドメインのDNSのリソースレコードの変更まで禁止されて悶絶の方々も見つかります。そこにその方自身がMeridial TLDとコンタクトを取った返事として載せられていることには、「AdamsNamesを動かしていたチームはMeridial TLDを動かしているチームだ。AdamsNamesにはもうレジストリを運用するインフラも知識もない」となっています。

レジストリのバックエンド担当のdd24と同じグループのKSregistryの2013/3/11ニュースのUpdate(4/12)では「(Key-Systemsの)RRPproxyは.tcと.gdと.vgの変更、登録、トランスファーを有効にしない」となっています。これはリソースレコードの変更には特に抵触しないですね。

AdamsNamesは違法に横取りされた(されるような退職者メールアドレスの管理をしているのが一番まずいと思いますが)、Meridian TLDが勝手にAdamsNamesを名乗ってICANNのミーティングに出席したと言っています。この記事によればAdamsNamesの言い分ではKey-Systems(KSregistry)を共犯としていたようです。

先ほどのニュースには、もうひとつ5/6にKSregistryが.gdのレジストリになったと書かれています。これは.gdのSponsoring Organisationが国立のNTRCだったからできたのでしょう。

ハチャメチャながらも少し流れがわかったところで先ほどの最近のアナウンスに戻ります。”The current operator of the ccTLDs is Meridian TLD Corp.” だそうです。っておーい、どういう流れでそうなったのか、IANAだかICANNだかの見解の説明をKSRegistryなりKey-SystemsなりKeyDriveの誰かがしてくれないと、これから公式ハイジャックとかできるようになるの?とか思っちゃいます。オペレータってなんだろう。

実際にこれらのドメインを使っていた人にとって、長期間にわたる不便は本当に困ったもんだと思いますが、わけのわからないccTLDと認識されてしまった痛手も長引きそうです…DNSSEC使ったところでレジストリが簡単にハイジャックされたとなれば意味がなくなっちゃいます。インターネットが脆弱なことを示す事件がまた増えましたが、事実関係が早くちゃんと明らかにされるとよいです。

EPSONプリンタ用 epson-201203j Linux向けCUPSドライバをFreeBSDで使ってみる

PostScriptプリンタが壊れ、つなぎに急遽エプソンのPX-435Aという、有線LAN無し、新しく入れ替えたインクを普通の文字だけの文書でも秒速で使い果たすという大食漢なプリンタを、アクセスポイントとの相性なのか無線LAN接続がいまいち安定しないので、長いことご無沙汰なUSB接続で使用するというお遊びをしてみます。

まずCUPS(print/cups-base)

lprで使えれば十分なのでZeroconfは無視します。
libusbを使う場合はulptなど他のドライバがロードされていない状態の素のugenであることが重要とpkg-messageに書かれていて、しかしこのプリンタはUSB接続した瞬間にulptどころかSDカードリーダでumassまでロードされて後で何かとめんどそうなので、逆にulptを使用してlibusbを使用しない方向に。

とかいうknobにしておいてくれれば良いのかも。いろいろな環境ではそう簡単な話じゃないのだとは思うけど。というわけでlibpaperとGhostscriptとD-Busを選択し、一方libusbの選択はされていない状態でインストールしてみます。

http://127.0.0.1:631/にアクセス。ちゃんとlocalhostだけでlistenしていて、デフォルト設定でいきなり普通に動作している模様。うれしい。

続いてCUPS用ドライバ。GutenprintにPX-401Aはあるものの、まだPX-435Aは載っていませんでした(2013/7/5)。他のモデルやGenericなESC/P系でいけるのだろうと思うも試行錯誤がありそう。OpenPrntingのwebサイトによるとrpmやらdebやらがあるようなので、それにしてみることに。FreeBSDのlinuxulatorはFedra 10(なんと)の対応のパッケージが多いようなので、emulators/linux_base-f10をインストール。

なるほど。

epson-inkjet-printer-201203j-1.0.0-1lsb3.2.i486.rpmをダウンロードして、’package epson-inkjet-printer-201203j is not relocatable’だそうなのでrpm2cpioですごく変な場所に書きこまれてしまうものがないことを確認してからインストールしてみます(今思えばそのまま/compat/linux下にcpioで展開して、/optにsymlinkすればよかったです…)。

  • フィルタ: /opt/epson-inkjet-printer-201203j/cups/lib/filter/epson_inkjet_printer_filter
  • PPD(gzip): /opt/epson-inkjet-printer-201203j/ppds/Epson/Epson-PX-435A_Series-epson-driver.ppd.gz

のようです。

lsbなんじゃそりゃ、とほこりをかぶったUbuntu機で確認。なるほど、いろんなディストロ向けのパッケージングをしやすくするためのものですか。えいっ、

あとはたんたんと繰り返し。

ふつうのユーザでフィルタを実行してみる

ダイナミックリンクは解決してちゃんと動作してエラーを出力。結果的にLSB 3.2なるものがFedra 10との相性抜群なおかげもあってportsで全部済み、ありがたいことこのうえないです。stringsで覗いてコマンドは呼び出していなさそうなので、これでOKなはず。

http://127.0.0.1:631/で、Find New Printersでは無線LANの接続だけが見つかるので、Add Priterを押し、Local Printers ‘USB Printer #1’ で追加。Or Provide a PPD File:に先ほどの /opt/epson-inkjet-printer-201203j/ppds/Epson/Epson-PX-435A_Series-epson-driver.ppd.gz を指定してAdd Printer。デフォルト設定をしてからPrint Test Pageであっさり印字されました。linuxulator を動かす分の手間だけで、本当にいい世の中になったものです。

続いて他の*BSD機でも使えるようにとman cups-lpdするとinetd経由で呼ぶのが吉とのこと。inetdで起動しているものは何もなかったので、/etc/inetd.confが変なもの起動しないことを確認、/etc/hosts.allow(TCP wrapperの作者は今はPostfixで有名なWietse Venemaさんですね)を適切に指定してからinetdを起動するようにします。そしてCUPSが自動生成したprintcapを見ておきます。

他の*BSD機にはCUPS不要でlpdが動いていなければ動かすだけ、例えば、

そして先ほどのサーバ側のprintcapを素の/usr/bin/lprが見てくれる/etc/printcapに追記します。

他に使えるプリンタがないので lp にして引き数無しで使えるデフォルトにし、バナーは不要なので sh を追加します。webブラウザから印刷でlprしてみたところさくっと印刷してくれました。めでたしめでたし。

おまけ。せっかくCUPSいじったので、横でネットワークにつながっ
ているCITIZEN CT-S300のドライバ追加してみます。 ctzpos-cups-1.1.0-0.src.rpm というsource rpmがあるので、こちらはそのままいけそうです。

これで

  • CT-S280
  • CT-S281/281L
  • CT-S300
  • CT-S310
  • CT-S2000/2000L
  • CT-S4000
  • CT-S601/S651
  • CT-S801/801L
  • CT-S851
  • PPU-700
  • CT-P29X
  • CBM1000
  • CD-S500
  • PMU22XX
  • PMU23XX

がFreeBSDのCUPSでも使えるはず。うちのCT-S300は’Find New Printers’で見つかり、自動的に socket://xxxxxxxx になりました。ポートが明示されていない場合のデフォルトポートは9100の模様です。そのまま追加完了して、デフォルト設定を74mm x 2000mmにしたら、えらい長いテストページの左端だけが出てきました…